さくら湯

草津市大路1−16−6 営業時間:14:00〜22:0 定休日:日曜日
JR東海道線「草津」下車 徒歩5分  

 

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入湯日:2005/06/16 15:00

 JR南草津駅で降り、立命館琵琶湖草津キャンパスの用事へ。終了後、ここまで来たら行っとくしかないでしょう、ということで草津の銭湯探索へ。
 京都、大阪のベットタウンとして開けてきた草津市ですが、江戸時代は東海道と中山道が分岐する交通の要所。宿場町として栄えていた町です。現在の商店街も、その名残りで駅前から旧中山道・東海道に沿って続いています。「きたなかアベニュー」と名前を変えたアーケード街の旧中山道を南に行くと、Tower111という高層マンションがあり、その四つ角を左に曲がると「さくら湯」がありました。外観は3階建てのビル。ビルの奥に昔ながらの浴舎が続いています。しかーし、開店時間までにはまだ小一時間あります。観光でもしますか(笑)。

 まっすぐに中山道を進むとトンネルがあります。ちなみにトンネルの手前を右に入るともう一軒の銭湯「草津温泉」。こちらは露天風呂もあるプチスー銭ですが、定休日で外観だけ見てきました。
(→草津川。この下をトンネルが通ってます。トンネル脇の常夜灯には右東海道、左中山道の文字)
 トンネルですが、上を横切るのは鉄道でも国道でもなく草津川。昔から天井川として有名で普段は水が流れていません。トンネルを抜けると東海道と中山道の分岐点があり、常夜灯や高札場が再現されています。草津駅から来ると、中山道を京に向かって歩いて行く感じですね。
 さらに進むと草津宿本陣が昔の姿で残っています。草津宿に本陣は2軒あったそうですが、現在残っているのは「田中七左衛門本陣」と呼ばれたもの。建坪468坪、部屋数30余部屋とかなり大きな建物です。平日の昼間観光客なんているはずもありません。上段の間脇の畳廊下から庭園を眺めているとどこかのお寺にでもいるような静寂感です。
(↑草津宿本陣外観&洋館風のおもちゃ屋さん)
 受付で近くに「草津宿街道交流館」があり、共通券だと320円とお得ですよと進められ、そちらにも行くことに。だんだんと町はずれになってくるのですが、古い歯科医院やモルタル洋館のおもちゃ屋など、個人的趣味ゾーンに入ってきて町並みも楽しめました。
 交流館の方は、江戸時代のコスプレが出来るコーナーや、当時の宿屋の食事を再現してあったり、町のジオラマがあったりと楽しめる工夫がいろいろされていて、本陣と併せて行かれることをお勧めしておきます。


 前置きが長すぎましたが、本題のさくら湯さん。大きな「ゆ」という看板が目印です。2階はスナックを思わせる看板の美容院です。
 大阪型のれんの掛かる入口を入ると下足場で、脱衣場への引き戸の上には扇形の「男」「女」という看板。どこかで見た記憶があるアイテムですねえ。
 番台で入浴料を払おうと思うと、ポスターの料金表が355円→350円に直されていました。入浴料は、物価統制令で上限額を定めるんだから、それ以下なら問題ないわけです。えらい! 貸しタオルと石鹸を購入して410円也。
 脱衣場は京都チックです。床は籐筵、籠もロッカーに入りませんが四角いプラカゴが用意されています。番台の上には「福徳大神」と書かれた提灯の掛かる神棚、ロッカーの上にはシンプルな大入り額、浴室入口近くに石田のハカリといった感じです。冷蔵庫はコカコーラの四面体ですが、上2段が全て缶コーヒー。アイテム選択間違ってないかい(笑)なんてことはさておき、瓶のコーラやスコールなどがありました。ちなみに牛乳は明治です。テレビが男女仕切の奥にあるのですが、同時にBGMにクラシックが掛かっているのもポイントですかね。
 浴室の方で最初に目にはいるのが、奥にある岩風呂です。4人ぐらいゆったり入れる大きさで、湯口から滝状にお湯が流れる本格派。ぬるめのお湯でゆったり出来ます。他の浴槽は男女壁側に並び、手前から浅風呂、深風呂、ジェット2箇所付浅風呂、昔はここまでだったのでしょう。壁を挟んで泡風呂になった薬湯という構成です。岩風呂の岩などに観葉植物が置かれているのも特徴です。
 この浴室なにやら雰囲気が違うなと思ったのですが、床のタイルが茶色を基調とした楓のような柄、浴槽の縁は明るいレンガ色、浴槽の壁面は深緑とかなり新鮮な色使い。薬湯に中川鉄工所さんの効能書きがありましたが、タイルはどこがやったのでしょう? 京都ではあまり見ない配色です。
 浴室の面積に対して、湯気抜きが大きく取られ明るい内に入ると気持ちいい浴室でした。風呂上がりにハイシーでビタミン補給。草津駅へと向かいました。

 

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清水湯

甲賀市水口町本町2−5−10 営業時間:16:00〜22:00 定休日:水曜日
近江鉄道「水口石橋」下車 徒歩5分  

 

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入湯日:2006/10/22 17:30

 ちょっと余裕のできた日曜日の午後。片道1時間半ぐらいでどこか行けないかと考えた結果、滋賀県の水口町(現在は甲賀市水口町)に決定。京都市役所前から地下鉄東西線で山科へ、そこから新快速で草津まで出で、草津線で貴生川へ。貴生川で近江鉄道に乗り換えるという順路。山科から草津って新快速で13分ですよ!奥さん!ということで、家から1時間半掛かりません。交通費も片道1000円ちょっとです。
 水口には、昭和湯と清水湯という2軒の銭湯があるのですが、共に近江鉄道の「水口石橋駅」という無人駅が最寄り駅になります。水口石橋駅のすぐそばは旧東海道水口宿。ひと風呂浴びる前に散策です。
 まず、駅の北側にある昭和湯方面へ。すぐに水口曳山祭の曳山の収納庫が見えてきます。行った時間が遅く回れませんでしたが、水口石橋駅のひとつ手前「水口城南駅」(歩いてでも行けます)近くに歴史民俗資料館があり、曳山が常設展示されているようです。
 昭和湯はこの日定休日だったのですが、こぢんまりとした浴室の屋根がなんとも言えずいい味を出していました。
 旧東海道を戻り、駅の南側に行くとこちらは旧水口宿。駅前には宿屋と曳山を模したからくり時計があります。ほか近江牛のお肉屋さんが1軒。
 駅前から道が平行した3本の道に分かれるのですが、まん中の道を進んで行くと本町商店街というアーケード。しかし・・・街としては死んでいます。シャッター通り商店街と呼ぶにも、商店街の体をすでになしていません。あー、日本の地方都市。
 アーケードから少し外れると水口小学校があり、入口に古い洋館が見えました。ヴォーリス設計の旧水口図書館で、国の登録文化財に指定されています。家に帰ってから知りましたが、昭和湯近くにもヴォーリス設計の水口教会が残っています。

←貴生川駅から近江鉄道に乗るとキップが硬券でした。

→水口のもう一軒、昭和湯さん。
ファザードに特徴がありますね。

↓ああ、東海道水口宿。旧東海道にある本町商店街。

↓ヴォーリス設計の旧水口図書館。水口小学校の校門脇にあります。

↓水口石橋駅前、宿場町の入口にあるからくり時計。


 そんなこんなで水口散策を終え、メインイベントの清水湯へ。
 古い町並みに溶け込んだ平屋建ての外観。そう、こういうのを求めてきたんです。暖簾をくぐると、土間にある低い番台におばあちゃん。籐むしろが敷かれた脱衣場の隅には漢数字のロッカー。鍵なんてありません。はい。籐籠がロッカーの上にありましたが、使われている様子はありませんでした。地方銭湯らしく低い天井は、ブルーグリーンにきれいに塗られています。建物は古いですがきちんと手入れされていて気持ちのいい空間です。
 アイテムとしては、石田の背の低いアナログ体重計、旧式按摩機、火鉢、木のベンチ、柱に取り付けられた貸しタオル(10円)のプラケースなどなど。
 浴室もこぢんまりしています。京間でいえばおそらく八〜十畳ぐらいしかありません。浴槽も男女壁側に深風呂があるのみ。タイルは何回か補修され、いろんな種類が混じっていますが、熱めのたっぷりのお湯は、何にも代え難く気持ちいい! 脱衣場に地下水で鉄分を多量に含んでいるので、体の芯から温まりますと書かれていましたが、ほんとそんな感じです。
 天井は脱衣場同様にブルーグリーンに塗られ、まん中に湯気抜きがあるのですが、煙突のように細長い湯気抜きですね。女湯からおばちゃん二人の会話が聞こえてきましたが、話の内容は平和堂のパートの雇用状況の話(笑)。あ〜、ここは滋賀県です。
 風呂上がり冷蔵庫を見るとラムネが。サンガリアの物でしたが、商品に書かれたコピーが「はてしなく自然飲料を追求するサンガリア」・・・。笑かそうとしているのか、サンガリアさん。ねっ。
 帰りは、鏡広告も出されていたすぐ近くの西田酒造で「みなくち」という地酒のワンカップを購入。ラベルは広重の水口宿の絵柄です。干瓢が名産だそうで、絵柄は干瓢干しの風景。まあ飲まずに飾っておきます。

 

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